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医療法人誠恵会のなか内科

症状別疾患

前立腺がん / その他の疾患

初めに

前立腺がんは近年非常に増加しております。厚生労働省の2017年のがん罹患数予測では、日本人の役86,000人が前立腺がんと診断されており、男性では胃がん、肺がんに次いで第3位です。また別の国立がん研究センターの統計では2017年のがん罹患数では前立腺がんは男性の第1位と報告されております。しかし前立腺がんの5年生存率は97%と高く、検診で早期に発見することが大切です。

 

当院は、さいたま市がん検診を実施しており、前立腺がん検診のPSA測定を施行しております。もし要精密検査となった場合は、自治医大さいたま医療センターや、さいたま赤十字病院、市民医療センター、埼玉県立がんセンターと連携しご紹介させていただきます。また、ダヴィンチ・システムによるロボット手術で実績のある東京医科大学病院とも連携しておりますので、お気軽にご相談ください。

前立腺とは

前立腺は膀胱の下側にある臓器で15-20㎎程度のクルミ大の大きさです。主な働きは、前立腺液を分泌して排尿の調節をし、精液の運動や保護を補助します。また、40歳を過ぎると徐々に肥大が始まります。

前立腺肥大症とは

前立腺肥大は40歳を過ぎるころから始まり、60歳以上の8割の方に前立腺肥大症を認めます。頻尿や残尿感、夜間頻尿などの排尿障害がなければ特に治療の必要はなく、症状がある場合は、内服治療から開始します。内服だけでも症状が改善することが多いのですが、不十分であれば手術による治療も必要となります。

 

当院でも内服による治療を行いますが、改善がない場合は手術治療の適応かを確認するため、近隣の泌尿器科専門医にご紹介させていただきます。

 

PSAとは

PSAとは前立腺の上皮細胞から分泌されるたんぱく質の事で『前立腺特異抗原(Prostate-Specific Antigen)』の略語です。PSAは通常血液の中にほとんどありませんが、前立腺がんになると血液の中に漏れ出てきます。

したがって、PSAを測定することで自覚症状のない早期の前立腺がんを見つけるのに役立ちます。その他、前立腺肥大症や前立腺炎などの疾患でもPSAは高値となることがあります。また、尿閉(尿が出にくくなること)や喫煙、射精後でも影響を受けることがあります。

PSA値の判定目安は

4ng/ml以下を正常とし、10ng/ml以上で前立腺がんの可能性が高くなります。4-10ng/mlの値はグレーゾーンですが精密検査が必要です。また、年齢がPSAに影響を与えるため年齢を加味して判断する場合もあります。具体的には64歳以下では3.0ng/mlまでを正常、65-69歳は3.5ng/mlまでを正常、70歳以上は4.0ng/mlまでを正常とします。なお80歳以上は7.0ng/mlまでを正常と判断することもありますが一度は精密検査を受ける必要があります。もしPSAが基準値以内であれば1.0ng/ml以下は3年後の再検査、1.1-4.0ng/mlまでは1年後の再検査が推奨されております。

前立腺がんとは

前立腺がんは、元々は黒人や白人男性に多く、アジア人では比較的少なかったものの、近年の日本では非常に増加しています。

 

前立腺は膀胱の下に尿道を取り囲むように存在します。尿道に接している部位は前立腺の内腺でその外側に前立腺の外腺があります。前立腺がんは、この外腺から発生し尿道に接していない場所にできるがんです。したがって進行しない限りは尿道に影響しないため症状がでにくく、初期の前立腺がんはほとんど自覚症状がありません。因みに、前立腺肥大はこの前立腺の内腺が肥大することで発症するために、早くから排尿障害などの自覚症状が出現します。

排尿障害や血尿などの自覚症状が出現してからがんが見つかった場合は約30%に転移があるといわれています。したがって、自覚症状がでないうちに発見することが重要で、前立腺がん検診のPSAを定期的に測定することが大切です。

前立腺がんの検査

まず、がん検診や人間ドックでPSAを測定し、基準値を超えれば精密検査を行います。精密検査としては直腸診やMRI検査を行い、前立腺がんの疑いがあれば肛門から超音波をいれて病変を確認し前立腺針生検で組織検査を行います。この針生検の組織検査で前立腺がんの確定診断となります。

なお、直腸診では、肛門から指を挿入し直接前立腺を触り診察しますが、初期の前立腺がんではわかりにくく、もし触って判るがんであれば少し進行した状態となります。進行していれば血尿や排尿障害などの症状があるため、PSA高値で精密検査となった方は、直腸診で前立腺がんが発見されることは実際には少ないです。

前立腺がんの治療

確定診断がつけば、病気の進行を確認するために、CTやMRI、骨シンチグラフィーなどで病期診断を行います。病期により治療法は異なりますが、限局した前立腺がんではホルモン療法や手術療法、放射線療法をそれぞれ単独や組み合わせて行います。がんが多臓器に転移した場合はホルモン療法を検討します。

まとめ

前立腺がんは近年日本では非常に増加しております。初期には自覚症状がでないため早期発見にはがん検診や人間ドックによるPSAの確認が重要です。PSAは国が認めたがん検診には組み込まれていませんが、さいたま市がん検診では2年一度の検査が認められております。

当院でも前立腺がん検診は施行しております。特に50歳以上の方、ご家族に前立腺がんの方がいる40歳以上の方は是非一度前立腺がん検診の受診をご検討ください。

なお当院では、PSAの他にPSA F/T比も確認し前立腺がんの診断を補助しております。また、PSAは経時的な変化も重要で年間0.8ng/ml以上の増加で前立腺がんの要注意となるため、さいたま市がん検診以外でも定期的な経過観察を施行しておりますのでお気軽にご相談ください。

もし前立腺がん検診で要精密検査となった場合はMRIを施行して、必要があれば提携している自治医大さいたま医療センター、さいたま赤十字病院、さいたま市民医療センター、埼玉県立がんセンターへご紹介させていただきます。また、ダヴィンチ・システムによるロボット手術で実績のある東京医科大学病院とも連携しておりますので、併せてお気軽にご相談ください。

 

のなか内科 院長 野中 雅也

のなか内科について

のなか内科は、埼玉県さいたま市大宮区(旧大宮市)に野中医院として開院し、野中病院を経て今年で78年目となります。今後もさいたま市や大宮区の地域医療を担っていきたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
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