内視鏡検査の総数

・胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）1,976件（昨年度は1,629件）

・大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）1,007件（昨年度は860件）

合計2,983件（昨年度は2,489件）でした。

上記2,983件の全内視鏡検査（胃カメラ・大腸カメラ）の全てを内視鏡指導医・内視鏡専門医・消化器病専門医の野中雅也医師と内視鏡専門医・消化器病専門医の松本泰輔院長が施行しております。

内視鏡検査結果の内訳

・胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）では、全1,976件中17件の悪性腫瘍（悪性腫瘍および前癌病変の腺腫）を認めましました。

その内訳は、食道癌4件、胃癌12件、胃悪性リンパ腫1件でした。

・大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）では、全1,007件中22件の悪性腫瘍を認めました。大腸癌が21件、直腸カルチノイド腫瘍が1件認めております。

その他、1,007件中382件の大腸腺腫を当院で切除しております。（上記の悪性腫瘍22件の一部の方が重複しております。）

内訳の詳細

・胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）

全17件の悪性腫瘍の内訳です。

食道癌4件のうち表在癌1件、進行癌3件でした。全例を総合病院や大学病院へ紹介し、そのうち2件が放射線化学療法施行中で、１件は外科的手術、１件は今後治療予定ですが内視鏡（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）による治療予定です。

胃癌12件の方は進行癌1件、早期癌11件でした。全例を総合病院や大学病院へ紹介し、そのうち2件が外科的手術治療、10件が内視鏡による治療（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）となりました。

胃悪性リンパ腫の1件は当院でヘリコバクターピロリ菌の除菌治療を施行し、現在当院の外来で経過観察しております。

また、当院でピロリ菌除菌治療をされた方は1次除菌97件、2次除菌6件、3次除菌0、4次除菌0、自費による除菌2件の合計105件の方が当院で除菌治療をされました。今年度は3次、4次除菌をされた方はいらっしゃいませんでした。

・大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）

全22件の悪性腫瘍の内訳です。

1件の直腸カルチノイド腫瘍の方は総合病院へ紹介し、返信結果待ちの状態です。

その他21件の大腸癌を認め、そのうち10件が進行癌、11件が早期癌でした。そのうち6件が直腸癌でした。10件の進行癌は近隣の総合病院や大学病院で外科的加療（手術）や追加化学療法を施行し、一部の方は治療した総合病院と当院で連携パスを施行し現在も当院外来で術後経過観察をさせていただいております。

11件の早期大腸癌のうち5件の方は、当院での内視鏡検査日にそのまま日帰りで内視鏡切除を施行し治癒切除となっております。次回1年後に当院で経過観察予定です。

11件の早期大腸癌のうち3件の方は近隣の総合病院へ紹介し内視鏡切除術（ESD：内視鏡的粘膜下層剥離術）を施行いたしました。全ての方が治癒切除となっております。

その他382件（一部上記22件の悪性腫瘍と重複しております）の大腸腺腫を当院にて同日に内視鏡的粘膜切除術にて加療しております。

まとめ

2024年度は、当院で施行した胃カメラ・胃内視鏡（上部消化管内視鏡検査）で17件（昨年度12件）件、大腸カメラ・大腸内視鏡（下部消化管内視鏡検査）で22件（昨年度13件）の胃癌・大腸癌・カルチノイド腫瘍・悪性リンパ腫などの悪性腫瘍を発見し治療させていただきました。

癌などの悪性腫瘍は早期発見し早期の治療が重要と考えられます。そのためには定期的な健康診断や外来受診、何かの症状がある際には早めの受診を心がけていただけたら幸いです。

また当院では、ヘリコバクターピロリ菌の除菌療法を積極的に施行しております。1次、2次除菌はもとより3次、4次除菌（いずれも自費診療となります）も施行しておりますのでお気軽にご相談ください。

また当院では腹部超音波検査も全例を医師が施行しております。昨年度は3件の方に膵臓癌を認めました。そのうちの1件の方は当院での市検診胃カメラで膵臓癌を疑い腹部エコーとMRIで診断に至りました。

野中雅也医師よりご挨拶

2024年度は合計2,983件の内視鏡検査をさせていただき、全ての検査を私と松本泰輔院長が担当させていただきました。今年度受診した方の多くが埼玉県内在住の方ですが、東京都在住の方、群馬県、長野県、新潟県など他県からも受診され内視鏡検査をさせていただきました。

また、今年度は多くの総合病院や大学病院の医師、開業医の先生方が受診され内視鏡検査を施行させていただきました。多くの同業医師の検査を担当させていただいたことは、自信にもなりとても嬉しく思います。今後も同業医師や多くの患者様から信頼を得られるような内科医・内視鏡医を目指し日々精進していく所存でございます。

当院ではさいたま市の胃癌検診や大腸癌検診はもちろんのこと、肺癌検診、前立腺癌健診も施行可能です。また女性の乳腺専門医による乳癌検診も施行しております。

例年、9月以降は検査が大変混み合い予約が取りにくい状況になります。特に昨年がん検診を受診しなかった方や、何か症状がある方は早めの検診受診や内視鏡検査をご検討いただけたら幸いです。

当院は開院し11年目となり、内視鏡検査数は少しずつ増えてきております。

2023年度は約2,500件の検査を施行させていただきましたが、検査可能日が先となってしまうことで予約が取れなかった方が多数いらっしゃいました。私1人で外来診察、内視鏡検査、腹部超音波検査を施行しており内視鏡は2,500件程度が限界であることが判りました。せっかく当院を受診していただいたにもかかわらず、内視鏡検査や腹部超音波検査の予約がとれないことが少しでも減るように、2024年度より松本泰輔院長と共に全日を2人診察・検査体制としました。内視鏡検査数も約3,000件となり、昨年度のような予約可能日が1ヶ月以上待ちとなることも減ってまいりました。

引き続き2025年度も、松本泰輔院長先生と私の常勤2人体制で診察して参ります。

松本院長は消化器内視鏡専門医、消化器病専門医、肝臓専門医であり内視鏡検査および内視鏡治療、腹部超音波検査を担当致します。

私は、消化器内視鏡専門医・指導医、消化器病専門医であり、内視鏡検査および内視鏡治療、腹部超音波を担当致します。

詳しくは当院のホームページをご確認ください。なおホームページも今後リニューアルする予定です。

松本先生は、月・火・水・木・金・土曜日と毎日検査および外来診療しております。

私の外来診察と検査は、火・水・木・金となりその他の曜日は、介護老人保険施設みやびの里に勤務しております。

もし何か気になる症状などございましたらお気軽にご相談いただけたら幸いです。

今後ともご指導のほど、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2025年3月末　　野中　雅也